NO BOOK, NO LIFE

~中学生におすすめの本
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自伝書を読む

自分の生き方に影響を与えるような「人の生き様」を読みたい!!
作りだされた物語とは違う、そこに生きていた人の呼吸を感じる自伝書をノンジャンルで。

    

『夢を力に』 本田総一郎
『ご冗談でしょう、ファインマンさん』  リチャード・P・ファインマン
『竹林はるか遠く』 ヨーコ・カワシマ・ワトキンス

     

『福翁自伝』 福沢諭吉
『わたしはマララ』 マララ・ユスフザイ 
『絵のある自伝』 安野光雅

      

『勝ち続ける意思』 梅原大吾
『アンネの日記』 アンネ・フランク
『チャップリン自伝』 チャップリン

  

『マイ・ドリーム』 バラク・オバマ
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頭のうちどころが悪かった熊の話


頭のうちどころが悪かった熊の話
安東みきえ/著 (理論社 2007/4 文字/大 135ページ)

収録作品「いただきます」で今江祥智賞を受賞。

どこかに頭をぶつけたらしい熊。なんにもさっぱり思い出せない。ただ「レディベア」のこと以外は。でも、「レディベア」って
だれ?

父さんにのみこまれちゃったへび、まっしろなシラサギに憧れるカラス、ヤゴと親友になったおたまじゃくし。気まぐれでシュールな7つのおはなし。ありえないはずの動物のおはなしが、まわりのだれかにどこか似ているようでつい重ねて、「ぷっ」と笑える。

「ないものねだりのカラス」「池の中の王様」はどちらもともだちをテーマにしたもの。カラスのひねくれっぷりが他人とは思えない。

小さい人から大人まで、読者を選ばないところもいいよね。折々に出てくる下和田サチヨさんのイラストもいいスパイスになっています。


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マウス

村田紗耶香さん探しにまた書店へ。文庫本コーナーをぐるぐる回り、見つけた1冊だけを手に入れる。そのままカフェで本を読み始めて、気づくと太陽がもう低い、読み切ってしまった。知らない人たちの中でひとり目を潤ませてるわたし、イタイ。



マウス

村田紗耶香/著

自分のことを内気だという5年生の女の子・律(りつ)。クラス替えでは、自分と同じような大人しい友だちを見つけて自分の居場所を守る。新しいクラスには、声も出さずいつも宙をぼんやりとながめているような「浮いてる」子瀬里奈がいた。ちょっとしたことですぐに泣きだし、いつもどこかへ消える瀬里奈にクラスは腫れものを触るように離れている。ある日、律は泣きだして飛び出した瀬里奈の後を追って…。

ちょっと変わった女の子の友情物語。瀬里奈にいたっては、彼女自身が変わっていると通りこし「独特」でもあるのだけど。人ごみ大きな音を怖いと感じる彼女は、現実世界に堪えられなくなった時、自分で作り上げた「灰色の部屋」に閉じこもる。しかも、うす暗く音のないその世界をすごく素敵な場所と信じて疑わない。そりゃそうだよな、自分で作った世界だからなぁ。

そのことがなんだか苛立たしい律は瀬里奈が灰色の世界に行かせないために、彼女の世界に鮮やかな色彩を流し込もうとする。律が図書室から選んだ『くるみ割り人形』の物語を嫌がる瀬里奈に無理やりに読み聞かせる。

『ギンイロノウタ』とはまた違う、濁った空気や少女の狂気はない。共通しているのは、外の世界へとつながる自分の中にあるする扉。律も瀬里奈も自分は「こんな子だから」って自分で作った居心地のいい箱の中に閉じこもっているのだけれど、思いもよらず開けるきっかけをもたらしたのは、自分と同じ女の子。内側から開けられないその箱の扉の鍵は、「友だち」が持っているのかも。

すっごく心に響いて、泣けるいい作品でした。「友だち」欲しいなぁって心底思った。

レンアイを歌っているのだろうけれど、律と瀬里奈の物語のエンドロールにぴったりの1曲。
扉をあける鍵をなくしても、あたしのを分けてあげるよ♪



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山口淑子さん死去

「李香蘭」の名でも知られた山口淑子さんが9月7日死去された。94歳だそう。映画・テレビで活躍された現役時代を知る人たちにはひとつの時代の終わりなのだろう。

父の仕事の関係で満州で育ち、「李香蘭」の名で映画デビュー。その後、日本で政治家にまでなったという略歴を聞くだけでもドラマチックと思うのに、戦前から戦後にかけて中国と日本というあやうい足場の上を、時代とともに生き抜いた彼女の生き様をいま読んでみたい。


李香蘭 私の半生

映画『ラストエンペラー』で、この時代の波乱っぷにとりこになったと言いながら、薄儀の自伝書『わが半生』を手元において約1年、年速(そんなスピードがあればだが)180ぺーじ余り。上下巻読み切るころには、息子も独立しているかもしれない。袁世凱の時代に入ったら漢字が多くて、人の名前なのか私の辞書にはまだない熟語なのか混同しちゃって投げ出していたが、女性の目線から語られる物語なら興味も強い。昨日も本を買ったばかりだから、今月は図書館で我慢と思うが、この表紙見ちゃったら手元に置いておきたいね。すっごい美人。

    
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ギンイロノウタ


ギンイロノウタ
村田紗耶香/著

第31回野間文芸新人賞受賞

『打ちのめされるようなすごい本』というタイトルの本がある。米原万里さんの知的センスただよわせてのバッサリぶりももちろんなのだが、何よりもこのタイトルが気に入っている。このタイトルを凌ぐような本がこの世にあるのだろうか、などと思うのだが、あった。なぜか読後に浮かんだのはこの本のタイトルだったりする。村田紗耶香にすっかり打ちのめされたのだろう。惹きつけられて次々とページをめくるのだが、間違っても親しい友人に「これ面白いから読んでみて」と本を貸してあげることはないだろう本。

少女の孤独に巣くう怪物を描く表題作と、殺意と恋愛でつむぐ女子大生の物語「ひかりのあしおと」。衝撃の2編。

いつの時代にもある、少女の孤独や狂気をとてもリアルに描いていると思う。
「人を殺してみたかった」といつか語った少女の思いは全く理解できないが、うっかりとわかるような気にさせられる。もう戻れない道を歩きはじめたなと思わせつつ(それを好奇心で読んでいる自分もどうかと思うが)、ラストでは希望が見えたのが救い。

単行本の装丁の方がしっくりくるような。次は『しろいろの街の、その骨の体温の』を読みたいのだけれど、まだ文庫本は出てないんだよね。年内にもう少し彼女を読みたいところ。